後 葉 (のちのよ)

神社のことを中心に、好きなことを綴っていく自己満足のためのブログです

蚕ノ社

京福電車嵐山線蚕ノ社」駅下車、徒歩数分。京都市右京区太秦に鎮座する『蚕ノ社(かいこのやしろ)』をご紹介します。f:id:aimar_21vcf:20240307145750j:image

蚕ノ社とはそもそも通称であり、正しくは「木嶋坐天照御魂(このしまにますあまてるみたま)神社」といいます。長いですね…(^^;;

 

創建は不明ですが少なくとも1300年以上の歴史があり京都市内でも最古の部類に入る神社です。ただ、豪華絢爛でもなければ特別に大きなお社でも有名でもありませんので、一般の方には全くおすすめはいたしません。f:id:aimar_21vcf:20240307150151j:image

では私はなぜそのようなお社にわざわざ足を運んだのか?この神社の特異性は鳥居にあります。

 

みなさんがご承知のように鳥居の柱は通常2本です。しかしながら蚕ノ社には3本柱の鳥居が存在しており、その名のとおり『三柱鳥居』と呼ばれています。f:id:aimar_21vcf:20240307151441j:image

 

写真で見るとわかりにくいですが、真上から見ると正三角形になっているそうです。f:id:aimar_21vcf:20240307151624j:image

なぜ3本なのか、なぜこのような形なのかは不明とされています。しかも全国でもここにしか見られない形状の鳥居とのこと。謎が深いですね…。

 

以前にどこかの記事に書きましたけど、私からあらためて言えるのは神道にとって『3』という数字は非常に重要な意味を持っているということです。

また『柱』や『鳥居』とはある意味では神そのものとも言えます。『柱』については、神を数えるときに1柱、2柱…と言いますね。『鳥居』については、ヘブライ語で神の名をあらわす神聖四文字(テトラグラマトン)を組み立てることで形づくることができる、という説もあります。ちなみに文字にするとיהוהですね。イメージしづらいかもしれませんが縦に積むことで鳥居かつヒトガタ(人形)になります。

余談。平安京がヒトガタであるという説は有名ですが、実は鳥居にもなっています。探してみてください。

 

話を戻しましょう。境内には巨木が繁茂していて湧水する神池もあり、『元糺の森』『元糺の池』と呼ばれています。私の好きな下鴨神社に『糺の森』『糺の池』があることから関連性を窺い知ることができますし、秦氏や加茂氏との繋がりも深いものと考えられます(そもそも鎮座している場所も『太秦』である)。

 

この『元糺の池』と某国にある某池との関連性をご指摘されている研究者もおられましたが、いずれにしても神道や日本人のルーツを知るうえで避けては通れない謎と言えるのは間違いありません。さっき半分くらい答え言っちゃってるけど(-_-;)

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ご興味を持たれましたら観光地嵐山に向かう途中で立ち寄り、参拝してみてはいかがでしょうか。

明治神宮

今回は明治神宮です。祭神は明治天皇昭憲皇太后となっており、初詣の参拝者数が日本一ということでも有名な神社ですね。

うつせみの 代々木の里は しづかにて 都のほかの ここちこそすれf:id:aimar_21vcf:20210108234151j:image

明治天皇がこのように詠まれたことから、崩御された後にこの地に祀られることとなりました。

 

去年の春はコロナ禍でしばらく出歩くこともままならない状況でしたが、私が東京に引っ越してから最初に参拝した神社なんです。

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戦時中に社殿が消失してしまい、当時のまま現存しているのは鳥居と楼門だけなんだそうです。なお、昨年2020年は明治神宮の創建100周年でした。f:id:aimar_21vcf:20210109000123j:image

 

境内は古来からの樹木と各地からの献木によって深い緑に包まれており、お洒落な原宿に隣接していることを忘れてしまうような雰囲気さえあります。

また境内にある御苑も季節によって様々な姿を見せます。たまに散歩がてら行くのですが、本当に心安らぐ景観が広がっていますよ。f:id:aimar_21vcf:20210109003806j:image
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神社に長い歴史や伝説を求めがちな私にはやや物足りないのですが、とはいえ東京では外せない神社のひとつであることは間違いないでしょう。先日一緒に参拝した友人は感銘を受けたようで、勢いに乗って御朱印帳まで購入しておりましたよ(笑)。

言葉の伝え方

日常生活やビジネスにおいて、相手と議論したり何かを指導・指摘しなければならない場面はよくありますね。そのような際にお互いが感情的になり「僕(私)は間違ってない(悪くない)!」とお決まりの台詞が飛び出すことも少なくありません。困ったことです。f:id:aimar_21vcf:20201228232550p:image

なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。私が思うに『自分の主張が正しいかどうか』と『言い方(伝え方)が適切かどうか』は別問題である、ということの認識不足が原因であると考えます。

相手も人間ですから、いくらこちらが正しかろうとマウントを取るような伝え方をされたら気分が良いはずはありません。相手の性格を踏まえ、伝え方を慮る。これこそが人の『和』に繋がる大事なことだと思っています。

伊勢神宮

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太陽神にして日本の最高神である天照大御神を祀る、神道界の中心とも言うべき社。それが伊勢神宮です。さすがに知らない人はほぼいないでしょう。

 

伊勢神宮は約5キロ離れた『外宮』と『内宮』から構成されており、外宮から先に参拝するのが古くからの習わしとなっています。

 

外宮です。祭神は豊受大御神。内宮に比べると参道が短く、やや開放的な印象を受けます。

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内宮。五十鈴川にかかる宇治橋を渡ると神苑があり、参道は森に囲まれています。静寂や荘厳という言葉がぴったりで、まさしく聖域と呼ぶにふさわしい空気感となっています。

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両宮ともに檜を素材とした唯一神明造の建築様式となっていて、社殿を20年に一度建て替える『式年遷宮』は一般的にも有名なところかと思います。また、年中毎日のように何かしらの祭りが執り行われているとのことです。

 

京都の有名な神社に行き慣れた人からすると地味な印象を受けるようですが、豪華絢爛なだけが神社の魅力ではないということに気付いてほしいなと思いますね…。

あと余談ですが伊勢神宮は毎年11月に行われる全日本大学駅伝のゴールなんですよ(スタートは名古屋市熱田神宮です)。私が参拝した日はその前日だったので、大会の準備が着々と進められていました。ちなみに私は大学駅伝ファンでもあります 笑

 

伊勢神宮に参拝したならば、おかげ横丁の界隈を散策するのも楽しみのひとつですよね。お土産もたくさんありますし、何より食べ物が美味しい!

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f:id:aimar_21vcf:20200912005502j:imageどんだけ食べるんだよ…ってくらいに毎回お腹を膨らましてますね私は(笑)。

 

さて、横丁に話が逸れましたが伊勢神宮は外宮内宮の他に『本宮』があるという説が以前から存在しているのはご存知でしょうか。真偽のほどは別の機会にするとして、私はお伊勢参りする際には必ず行っていますよ。噂の『本宮』に。
f:id:aimar_21vcf:20200912005349j:imageこのお社についてはまたそのうちに。

『和する』ことと『謙虚さ』

神社や神道ネタもあるものの、今回は最近仕事をしていてあらためて感じたことを書きたいと思います。

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以前このブログで鏡と鑑のお話について書きましたが、私は仕事をするうえで(もちろん人としてでもありますが…)内面を重視したいと思っています。いくら仕事のスキルや知識がある優秀な人であっても、人間性が伴っていなければ組織の中では必ず大きな失敗をする時が来ますし、それは人生においても同じことが言えるでしょう。

 

そのようなことを踏まえて私は仕事のやり方以前に、部署内での『和』と自らの『謙虚さ』を持つようにしてもらいたいと考えています。

 

まず『和』です。当たり前ですが人それぞれ性格も考え方も違います。その違いが多様であればあるほど組織としては強いです。しかしながら性格や意見の違いは苦手意識に繋がりがちであり、やがてそれは心の壁を作ってしまいます。

互いに過度な遠慮をしあったり、相性が良く考え方の近い者同士が集まって落ち着いたりするのは『和』とは言えず、これは馴れ合いです。それ自体を悪いこととは思いませんが、組織としての強さには程遠いものになります。性格も意見も違う者たちが互いを尊重し、できるだけ壁を作らず、手を取って同じ目的のために協力していくことが『和』です。

言うは易し…で実際にはなかなか難しいのですが、皆がこれを意識することで大きく変わっていきます。

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次に『謙虚さ』ですね。自分がどんなに仕事のできる人間だろうが、どれだけ出世しようが、どれだけ金持ちであろうが、驕り高ぶったら終わりです。それ以上の成長は無いし、何より周囲の信頼を失って孤立したり転落するでしょう。

自らを省みて、自らを律する。相手には控えめに、素直になる。自分に厳しく他人に優しく、『外寛内明』とも言うべき心を持つことが謙虚さに繋がり、自分の人間性の成長や周囲との調和になるのです。人間として欠かせない要素であると断言できます。

 

じゃあ自分はどれだけしっかりしてるんだよと言われると私は全くのダメ人間なのですが…(苦笑)。

若いのにとても優秀なとある方がおりまして。私より全然仕事ができると思いますし会社への貢献も多大な彼は、ここ2年くらいで一気に役職者へ登ってきた感がありました。ただ、もともと『謙虚さ』や『和』とは程遠い性格で、しかも最近は少し天狗になってしまっていたんですね。これが原因で様々なトラブルが起きてしまい、もしかしたら彼は外されてしまうかもしれません…という現状があります。

これは彼自身の人間性の問題ですが、コントロールできなかった上司の責任でもあります。私は自分の配下の者が同じく道を踏み外さないように、私自身を律することはもちろんですが、後進の指導にも重い責任感をもって取り組んでいきたいとあらためて思った次第でした。

北野天満宮

このブログを更新するのもなんだか久しぶりです。

今回は菅原道真(すがわらのみちざね)を祭神とし、『天神さん』の名で親しまれる北野天満宮を取り上げてみたいと思います。

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祭神である菅原道真は学問、政治ともに申し分なく優秀で、その才能が認められて右大臣を務めるほどの人間でした。しかしながら、そのような才ある者への嫉妬はいつの時代もあるものです。謀略によって陥れられた道真は九州の太宰府へ左遷させられてしまい、失意の中で病死します。しかしその後、京の都では落雷や干ばつなどの天災で多数の死者が出たばかりか、朝廷にも不幸が相次ぐありさまとなりました。

陰陽師により、これらは無実の罪を着せられて亡くなった菅原道真の祟りであることが判明。怨霊となった道真を恐れた朝廷は、北野の地に神社を造営して道真を神として祀ることを決断します。これが北野天満宮の成り立ちです。現在では天満宮・天神社は全国に1万以上あると言われており、北野天満宮はその総本社となっています。

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当初は祟り神や雷神に対しての畏怖があったと思われますが、もともと道真は多才な人間であったことから今では学問の神として崇敬されていますね。時期によっては、合格祈願の受験生で賑わっていることもあります。

 

境内には、道真が梅をこよなく愛したことに由来してか、梅がたくさん植えられています。

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『東風(こち)吹かば  にほひをこせよ  梅の花 主なしとて 春を忘るな』

道真が左遷させられる前に詠んだこの和歌はあまりにも有名です。

東風が吹く春になったら、香しい梅の花を咲かせておくれ。主人(道真)がいないからといって、春の到来を忘れるなよ。 という意味です。個人的には、両義的にもうひとつの意味が込められていると思っていますけどね…。

 

そんなわけで北野天満宮には梅苑がありまして、春先にはたくさんの梅花を見ることができます。写真で見るより本当に綺麗ですから、一度は行ってみることをオススメしますよ。

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あとは青もみじや紅葉も有名です。これらの時期は参拝客・観光客が非常に多いですね。特に秋は七五三もありますから。

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話は少し変わりますが、童謡『とおりゃんせ』には天神さまが出てきますね。

とおりゃんせ とおりゃんせ

ここはどこのほそみちじゃ
てんじんさまのほそみちじゃ
ちっととおしてくだしゃんせ
ごようのないものとおしゃせぬ
このこのななつのおいわいに
おふだをおさめにまいります

いきはよいよい かえりはこわい
こわいながらも とおりゃんせ とおりゃんせf:id:aimar_21vcf:20200810220412j:image
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…童謡なのに陰鬱な印象を受けるのは私だけでしょうか。この歌の真実を知るべく、何度も北野天満宮に足を運んだんですよね私は。ひとつ知ったのは、もともと天神とは菅原道真のことではなく天から降臨する天津神(あまつかみ)を指していたということです。何のこっちゃ?と思うかもしれませんが、この童謡に込められた意味は深いということですね。いずれまた。


最後におまけ。昨秋のことですが初音ミク北野天満宮がコラボしてましたよ 笑
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