後 葉 (のちのよ)

神社のことを中心に、好きなことを綴っていく自己満足のためのブログです

二葉葵

上賀茂神社下鴨神社の記事にて、ふたつの神社の社紋は二葉葵であり、この葵には深い意味があることをお伝えしました。今回はこの点について少し触れたいと思います。

f:id:aimar_21vcf:20200707194601j:imageまず『葵』自体に触れる前に…上賀茂神社下鴨神社と言えば『葵祭』が有名ですが、それに先立って行われる『御蔭祭』と『御阿礼神事』という秘祭があります。f:id:aimar_21vcf:20200707195039j:imagef:id:aimar_21vcf:20200707195151j:image

御蔭とは本来『光』を意味する古語であり、御阿礼とは神や貴人の『再生・復活』を意味することから、これらは光(太陽神)の復活を表わした祭であると考えられます。

 

一方『葵』ですが、葉を陽の光に向ける向日性という性質を持った植物です。太陽(日光)に向かって傾くこと(転じて、貴人を尊び忠誠を尽くすこと)を古語では『葵傾(きけい)』と言います。陽に向かう花といえばヒマワリを思い浮かべますが、漢字にすると向日葵でやはり『葵』が入っていますね。

 

少し逸れますが、葵といえば徳川家の家紋は三つ葉葵。もともと家康の出自には謎が多いと言われている中で、賀茂氏の出身であるとする説があります。

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さらには彼の家臣として有名な本多氏は賀茂神社の神官にルーツがあることが判明しており、本多氏の家紋も『立ち葵』という葵紋であります。

f:id:aimar_21vcf:20200707131906j:imageちなみに私の知人にも本多さんという方がいらっしゃいますが、やはり某神社の神職をなさっています。

 

話を戻します。この葵紋は要するに神を仰ぎ慕い、忠誠を尽くすことを示しているのですね。

日本の最高神である天照大神が太陽神であることや日本の国旗が日の丸(太陽)であることを踏まえてこれらのことを総合的に考えると、御蔭祭・御阿礼神事・葵祭はとてつもなく深い意味を持った祭事であり、それを執り行う上賀茂神社下鴨神社が日本においてどれほど重要な社かということがわかります。

 

『葵』の意味も去ることながら、前述した光(太陽神)の復活ということが具体的に何を指しているのか…ご興味があれば考えてみてください。我々が知るべき真理とも言えるからです。

なお、「そんなこと言ってもそもそも賀茂神社の祭神は天照大神ではないではないか!」という方もいらっしゃると思いますが、それに対する答えはあります。いずれお話する機会があるといいですね。