京福電車嵐山線「蚕ノ社」駅下車、徒歩数分。京都市右京区太秦に鎮座する『蚕ノ社(かいこのやしろ)』をご紹介します。
蚕ノ社とはそもそも通称であり、正しくは「木嶋坐天照御魂(このしまにますあまてるみたま)神社」といいます。長いですね…(^^;;
創建は不明ですが少なくとも1300年以上の歴史があり京都市内でも最古の部類に入る神社です。ただ、豪華絢爛でもなければ特別に大きなお社でも有名でもありませんので、一般の方には全くおすすめはいたしません。
では私はなぜそのようなお社にわざわざ足を運んだのか?この神社の特異性は鳥居にあります。
みなさんがご承知のように鳥居の柱は通常2本です。しかしながら蚕ノ社には3本柱の鳥居が存在しており、その名のとおり『三柱鳥居』と呼ばれています。
写真で見るとわかりにくいですが、真上から見ると正三角形になっているそうです。
なぜ3本なのか、なぜこのような形なのかは不明とされています。しかも全国でもここにしか見られない形状の鳥居とのこと。謎が深いですね…。
以前にどこかの記事に書きましたけど、私からあらためて言えるのは神道にとって『3』という数字は非常に重要な意味を持っているということです。
また『柱』や『鳥居』とはある意味では神そのものとも言えます。『柱』については、神を数えるときに1柱、2柱…と言いますね。『鳥居』については、ヘブライ語で神の名をあらわす神聖四文字(テトラグラマトン)を組み立てることで形づくることができる、という説もあります。ちなみに文字にするとיהוהですね。イメージしづらいかもしれませんが縦に積むことで鳥居かつヒトガタ(人形)になります。
余談。平安京がヒトガタであるという説は有名ですが、実は鳥居にもなっています。探してみてください。
話を戻しましょう。境内には巨木が繁茂していて湧水する神池もあり、『元糺の森』『元糺の池』と呼ばれています。私の好きな下鴨神社に『糺の森』『糺の池』があることから関連性を窺い知ることができますし、秦氏や加茂氏との繋がりも深いものと考えられます(そもそも鎮座している場所も『太秦』である)。
この『元糺の池』と某国にある某池との関連性をご指摘されている研究者もおられましたが、いずれにしても神道や日本人のルーツを知るうえで避けては通れない謎と言えるのは間違いありません。さっき半分くらい答え言っちゃってるけど(-_-;)
ご興味を持たれましたら観光地嵐山に向かう途中で立ち寄り、参拝してみてはいかがでしょうか。