桃太郎…我が国で最も有名かつ親しみのある昔話のひとつと言っても過言ではないでしょう。
先日、このブログにて花咲爺と五行思想についてお話した際に、この思想の影響を受けている昔話が他にもあるということを書かせていただきましたね。実はそれが『桃太郎』なのです。今回はこの点についてお話していきたいと思います。
まず桃太郎と言えば鬼退治ですが、ここは十二支に関係するという説が有名です。
十二支は年だけではなく、古来より時刻や方角を表すものとして使われていました。その中でも忌み嫌われる『鬼門』の方角が丑寅(うしとら)であることから、鬼は牛のツノがあり虎のパンツを履いている、というわけです。
さらにお供の3匹は申酉戌(さるとりいぬ)で西の方角にあたりますが、五行思想では西を象徴する果物が桃であり、まさに『桃』太郎がサル、キジ、イヌを連れて鬼退治に向かう構図ができあがります。
一方で、桃太郎のお話に欠かせないのがきびだんご。『きび』は黄色で、黄色は五行思想では『土』に対応します。
『桃』太郎=西=金、きびだんご=土。
相生と呼ばれる陽の流れでは『土生金』であるため、土(きびだんご)は金(桃太郎)を強める力関係になっています。この流れを踏まえると、お婆さんが桃太郎のために作るのはまさにきびだんごでなくてはならなかったのですね。
さらに言うと『土生金』とはそもそも、鉱物・金属の多くは土の中にあり、土を掘ることによってその金属を得ることができる…というものですが、桃太郎のお話では鬼退治をしたあとに財宝を持ち帰りますね。これが『金属を得る』に該当するかと思います。
こじつけじゃないか、と言うのは簡単ですが、不思議なほどに五行思想に当てはまるのもまた否定できない事実なんですよね(・ω・)
ここまで桃太郎と五行思想についてご紹介してきましたが、個人的に桃太郎の中で不可解なのは、なぜ『日本一』という旗を掲げているのか?ということです。これほど陰陽五行思想が深く取り込まれた話である以上、この旗にも何か意味があると思うんですよね。
なんとなく連想するものはひとつだけあるのですが…
今回はここまでです。ありがとうございました。