後 葉 (のちのよ)

神社のことを中心に、好きなことを綴っていく自己満足のためのブログです

七夕

『織女之 今夜相奈婆 如常 明日乎阻而 年者将長』
織女(たなばた)の 今夜逢ひなば 常のごと 明日を隔てて 年は長けむ

f:id:aimar_21vcf:20200704203758j:image織姫は今夜彦星に逢えても、またいつものように明日から二人は離れ離れとなり、長い時間(一年)再び逢える日を信じて待ちながら過ごしていくことになるのですね。

…という意味の詩です。なんか好き。

 

さて、7月7日は七夕。もともと『五節句』のひとつで、七夕(しちせき)の節句と呼ばれています。他には雛祭りの日である『上巳の節句』や、こどもの日の『端午の節句』などが有名ですよね。

短冊に願いを込めて竹や笹に飾り付ける、その光景はもはや夏の風物詩でもありますし、織姫と彦星の伝説もあいまって、ロマンティックさの中に切なさをも感じます。

f:id:aimar_21vcf:20200704210842j:imageそんな日本古来の伝統行事である七夕ですが、日本神話に深い関わりがあります。

 

まず織姫とは、高天原(たかまがはら)で機織りをする天照大神(アマテラス)のことです。一方、牛飼いの牽牛(彦星)とは、牛頭天王と同一視される須佐之男命(スサノオ)であります。

機織りの織姫=織女星(ベガ)=天照大神
牛飼いの彦星=牽牛星(アルタイル)=須佐之男
となりますね。

 

織姫と彦星がそれぞれ天照大神須佐之男命であるとするならば、二人を隔てる天の川とは神々の住む高天原を流れる天安河(あまのやすかわ)となります。

f:id:aimar_21vcf:20200704204227j:imageこれにより、七夕とは天安河を挟んで天照大神須佐之男命によって行われた『誓約(うけい)』に由来するものであり、男女の結婚にまつわる儀礼であることがわかります。

 

なおこの誓約で十握剣から三人の女神が、八尺瓊勾玉から五人の男神が生まれているのですが、これが三人官女と五人囃子のもとになっているという説があります。つまりは雛祭りも神話がもとになっており、お内裏様が須佐之男命でお雛様が天照大神ということになりますね。余談でした。

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話を戻して七夕ですが、人々は知らず知らず日本の最高神に願いごとをしていることになる…のでしょうか。

日本の伝統行事には大概、日本神話が見え隠れしていますね。そこにほんの少し気付くだけで、悠久の時の流れやこの国の持つ深み、神秘性を感じられるのです。

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さて、今年皆さんは何を願いますか?私は安らぎがほしいですね。