このブログを更新するのもなんだか久しぶりです。
今回は菅原道真(すがわらのみちざね)を祭神とし、『天神さん』の名で親しまれる北野天満宮を取り上げてみたいと思います。
祭神である菅原道真は学問、政治ともに申し分なく優秀で、その才能が認められて右大臣を務めるほどの人間でした。しかしながら、そのような才ある者への嫉妬はいつの時代もあるものです。謀略によって陥れられた道真は九州の太宰府へ左遷させられてしまい、失意の中で病死します。しかしその後、京の都では落雷や干ばつなどの天災で多数の死者が出たばかりか、朝廷にも不幸が相次ぐありさまとなりました。
陰陽師により、これらは無実の罪を着せられて亡くなった菅原道真の祟りであることが判明。怨霊となった道真を恐れた朝廷は、北野の地に神社を造営して道真を神として祀ることを決断します。これが北野天満宮の成り立ちです。現在では天満宮・天神社は全国に1万以上あると言われており、北野天満宮はその総本社となっています。
当初は祟り神や雷神に対しての畏怖があったと思われますが、もともと道真は多才な人間であったことから今では学問の神として崇敬されていますね。時期によっては、合格祈願の受験生で賑わっていることもあります。
境内には、道真が梅をこよなく愛したことに由来してか、梅がたくさん植えられています。
『東風(こち)吹かば にほひをこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな』
道真が左遷させられる前に詠んだこの和歌はあまりにも有名です。
東風が吹く春になったら、香しい梅の花を咲かせておくれ。主人(道真)がいないからといって、春の到来を忘れるなよ。 という意味です。個人的には、両義的にもうひとつの意味が込められていると思っていますけどね…。
そんなわけで北野天満宮には梅苑がありまして、春先にはたくさんの梅花を見ることができます。写真で見るより本当に綺麗ですから、一度は行ってみることをオススメしますよ。
あとは青もみじや紅葉も有名です。これらの時期は参拝客・観光客が非常に多いですね。特に秋は七五三もありますから。
話は少し変わりますが、童謡『とおりゃんせ』には天神さまが出てきますね。
とおりゃんせ とおりゃんせ
ここはどこのほそみちじゃ
てんじんさまのほそみちじゃ
ちっととおしてくだしゃんせ
ごようのないものとおしゃせぬ
このこのななつのおいわいに
おふだをおさめにまいります
いきはよいよい かえりはこわい
こわいながらも とおりゃんせ とおりゃんせ
…童謡なのに陰鬱な印象を受けるのは私だけでしょうか。この歌の真実を知るべく、何度も北野天満宮に足を運んだんですよね私は。ひとつ知ったのは、もともと天神とは菅原道真のことではなく天から降臨する天津神(あまつかみ)を指していたということです。何のこっちゃ?と思うかもしれませんが、この童謡に込められた意味は深いということですね。いずれまた。