後 葉 (のちのよ)

神社のことを中心に、好きなことを綴っていく自己満足のためのブログです

熱田神宮

熱田神宮天皇家の『三種の神器』のひとつである草薙剣が祀られていることもあり、伊勢神宮に次ぐ由緒を持つ神社であると言われています。今回はこちらを見ていきましょう。

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いきなり個人的なお話になってしまいますが、私は今年3月まで名古屋市に住んでおりました。公私ともに良い事も悪い事もあった中で、いろいろな人々に出会い人として大きく成長できた5年間でした。本当に大好きな街なのでいつか戻ってきたいですし、そのままずっと住むのも悪くないと思っているくらいです。

 

熱田神宮はそんな名古屋市熱田区に鎮座しています。祭神は熱田大神(あつたのおおかみ)。相殿神として天照大神、素盞嗚尊、日本武尊、宮簀媛命、建稲種命が祀られています。ちなみに熱田大神とは、熱田神宮御神体である草薙剣を御霊代としてここに関わる天照大神であると言われています。極論を言うと、熱田大神天照大神は同一と言えるでしょう。

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大きな木々が覆う参道は、何度歩いても心が静まりを覚えます。
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参道を抜けると荘厳な神明造の拝殿が見えてきますね。日本武尊にちなんでのことと思いますが、御神徳としては厄除が有名です。

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拝殿近くには樹齢千年以上の大木が。

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この神楽殿では私も厄祓いをしていただいたことがありますよ。

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本殿の裏には『こころの小径』と呼ばれる小道がありまして、パワースポットとして人気があります。女性の美容に良いスポットとしても知られていますね。

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なお、この小径にある『一之御前神社』周辺は近年まで公開されていなかった(?)と聞きました。警備員もいますし、非常に重要な社であることは誰が見てもすぐに感じられると思います。

 

最後に余談。御神体の『草薙剣』はヤマタノオロチの尾から出てきたと言われていますが、ヤマタノオロチのお話にはこれでもかってくらいに『八』がたくさん出てきます。そんな草薙剣が祀られている熱田神宮、鎮座する名古屋市の市章も『八』。これは果たして偶然なのでしょうか…。

草薙剣の謎については別の機会にまた言及できたら…と思います。

 

八坂神社

この時期、夏の京都の風物詩といえば祇園祭ですね。今年はコロナの影響で内容の変更や中止を余儀なくされているお祭りが多いですが…祇園祭においても山鉾巡行と神輿渡御が中止となりました。

そんな残念な状況ではありますが、『祇園さん』の愛称で親しまれる八坂神社についてご紹介をしていきたいと思います。

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私の場合、八坂神社へは京阪の祇園四条駅で降りてから徒歩で向かっています。賑やかな四条通を歩くのも楽しいですし、この界隈のシンボルとも言える朱塗りの西楼門が少しずつ見えてくるのが好きなんです。

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八坂神社は明治時代の神仏分離までは祇園感神院ですとか祇園社などと呼ばれていました。祭神は素戔嗚尊(すさのおのみこと)です。京都の東を守護する『青龍』に該当する社としても知られていますね。なお、夕方には閉鎖してしまう神社が多い中で夜間も参拝できる珍しい神社となっています。
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境内に入ると参道に屋台などが立ち並んでいて賑やかです。食べ物やちょっとしたお土産なんかも売っています。

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本殿です。写真ではわからないですが、本殿と拝殿が一つの屋根で覆われており『祇園造』と呼ばれています。国の重要文化財です。
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境内には他にも社がたくさんあります。

因幡の白兎で知られる大国主命を祀った大国主社は縁結びで有名。石像が可愛らしいです。願掛けをしている女性も多く、八坂神社の末社の中では最も参拝者がいると思われます。ついでに言うと、境内には逆に縁切りの社もあります。ひっそりしていてあまり知られていませんが。
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あとは美御前社ですかね。多岐理毘売命(たぎりびめのみこと)、多岐津比売命(たぎつひめのみこと)、市杵島比売命(いちきしまひめのみこと)という女神を祀っています。スサノオの娘にあたる神様で、雛祭りの『三人官女』の原型であると考えられます。美容を求めて参拝する女性の姿が多いですね。ここに参拝したならば、八坂神社の授与所にて売っている『美守』をお求めになるのも良いでしょう。外見だけでなく心も美しくなることを願うお守りです。
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八坂神社の裏には円山公園があって、北上すれば平安神宮、南下すれば清水方面です。人によっては距離を感じるかもしれませんが、いずれも歩いて行ける範囲です。f:id:aimar_21vcf:20200718102602j:image
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また、祇園河原町界隈も観光スポットですから周辺を散策するだけでも楽しいと思いますよ。
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書き忘れるところでしたが、祇園祭はもともと疫病退散を願って始められたと言われています。八坂神社の祭神である素戔嗚尊も疫病除けの神として有名です。コロナの状況が落ち着いてきたら、参拝に行ってみるのも良いかもしれませんね。

少し疲れました

自分ではそのようなつもりはありませんでしたが、ここ何年か公私ともに気を張りすぎていたのかもしれません。いろいろあって、少しだけ疲れてしまいました。いろんな意味でひとりになりたいし、それと同じくらい何かに癒されたい。

そのうち落ち着いたら泊まりで旅行にでも行きたいなって本当に思います。

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普段はどこに行くにしても基本的には日帰りしていたのですが、今年1月に京都府内の某所へ1泊2日で一人旅しました。新年度に名古屋から東京へ異動することがすでに内示されていたため、名古屋にいるうちに行っておきたいなと思ったのがきっかけです。

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ベッドは2つありますが、一人旅です。本当に。f:id:aimar_21vcf:20200708194417j:image

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外は生憎の天気でしたが、旅館はとても静かで穏やかな空間でした。床暖房も効いていましたし、浴場の温泉は決して広くはありませんでしたが雰囲気も泉質もなかなかのものでした。

料理も美味しかったです。写真はあんまり綺麗に撮れてないですけど…。おすすめの地酒もいただきました。

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↓これは朝食です。2日目は某神社に参拝しました。
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気晴らしにまた旅行に行きたいな…という、ただそれだけの話でした。

二葉葵

上賀茂神社下鴨神社の記事にて、ふたつの神社の社紋は二葉葵であり、この葵には深い意味があることをお伝えしました。今回はこの点について少し触れたいと思います。

f:id:aimar_21vcf:20200707194601j:imageまず『葵』自体に触れる前に…上賀茂神社下鴨神社と言えば『葵祭』が有名ですが、それに先立って行われる『御蔭祭』と『御阿礼神事』という秘祭があります。f:id:aimar_21vcf:20200707195039j:imagef:id:aimar_21vcf:20200707195151j:image

御蔭とは本来『光』を意味する古語であり、御阿礼とは神や貴人の『再生・復活』を意味することから、これらは光(太陽神)の復活を表わした祭であると考えられます。

 

一方『葵』ですが、葉を陽の光に向ける向日性という性質を持った植物です。太陽(日光)に向かって傾くこと(転じて、貴人を尊び忠誠を尽くすこと)を古語では『葵傾(きけい)』と言います。陽に向かう花といえばヒマワリを思い浮かべますが、漢字にすると向日葵でやはり『葵』が入っていますね。

 

少し逸れますが、葵といえば徳川家の家紋は三つ葉葵。もともと家康の出自には謎が多いと言われている中で、賀茂氏の出身であるとする説があります。

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さらには彼の家臣として有名な本多氏は賀茂神社の神官にルーツがあることが判明しており、本多氏の家紋も『立ち葵』という葵紋であります。

f:id:aimar_21vcf:20200707131906j:imageちなみに私の知人にも本多さんという方がいらっしゃいますが、やはり某神社の神職をなさっています。

 

話を戻します。この葵紋は要するに神を仰ぎ慕い、忠誠を尽くすことを示しているのですね。

日本の最高神である天照大神が太陽神であることや日本の国旗が日の丸(太陽)であることを踏まえてこれらのことを総合的に考えると、御蔭祭・御阿礼神事・葵祭はとてつもなく深い意味を持った祭事であり、それを執り行う上賀茂神社下鴨神社が日本においてどれほど重要な社かということがわかります。

 

『葵』の意味も去ることながら、前述した光(太陽神)の復活ということが具体的に何を指しているのか…ご興味があれば考えてみてください。我々が知るべき真理とも言えるからです。

なお、「そんなこと言ってもそもそも賀茂神社の祭神は天照大神ではないではないか!」という方もいらっしゃると思いますが、それに対する答えはあります。いずれお話する機会があるといいですね。

九州各地での豪雨は凄まじいですね。私の勤務している会社でも、現地の一部支店で大きな被害が出ています。

何より、このたび被災された方々には心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復旧をお祈り致します。

 

このような時に言うことではないのかもしれませんが、私、雨は嫌いではありません。雨音が精神的に落ち着くんですね。

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ただ、近年では今回のような豪雨による被害が深刻化しています。異常気象や温暖化といった言葉をよく耳にしますが、そもそも一般的に常識とされている『雨が降る仕組み』とは正しいのでしょうか?

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水蒸気を含んだ空気が熱せられて上昇し、遥か上空で冷却され雲になる。これらは特に積乱雲や乱層雲となった場合に激しい雨をもたらしますが、逆にそれ以外では強い雨が降ることは滅多にありません。ここまではまあいいです。

f:id:aimar_21vcf:20200706234857j:imageしかし、空気が含むことのできる水蒸気の量には限界があります。果たして既存の理論で、1時間に100ミリを超えるような豪雨が生まれ、なおかつそれが降り続くということは起こり得るのでしょうか?私は全くイメージがつきません。もし仮にスーパーコンピュータ等でのシミュレーションに成功しているのであれば、ぜひ知りたいものですね…。

…と、前から感じていた疑問を吐き出してみましたが私は専門家ではないのであまり偉そうなことは言えませんね。

 

ところで神社のしめ縄には紙垂と〆の子、そして鈴が付いていますが、これはそれぞれ、雲、稲妻、雨、雷鳴を表現していると言われています。
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雨は神の恵であると同時に、電気的な現象を伴うものでもある。そこにヒントがあると感じるのは私だけでしょうか。

上賀茂神社

このブログで一番最初に載せたのが下鴨神社だったのですが、今回ようやく上賀茂神社をご紹介します。本来ならばセットで語らなければならないほどに密接な関係性のある両社なのに、なんとなくもったいなくて今日まで出し惜しみしてました(笑)。

f:id:aimar_21vcf:20200705204030j:image上賀茂神社は正式には『賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)』と言い、賀茂御祖神社下鴨神社)と総称して賀茂神社と呼ばれています。昔は賀茂神社といえば上賀茂神社を指していたことがあったようですので、その重要性の高さが窺えますね。

 

上賀茂神社京都市北部、賀茂川の東部に鎮座しています。京都の北を守護することから、四神相応の『玄武』に該当する神社とも言われていますね。駅からは少し遠いので、私はいつも下鴨神社を参拝した後に最寄りのバス停からバスで向かうようにしています。

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下鴨神社糺の森に鎮座していることもあって木々に囲まれた参道を歩きますが、対して上賀茂神社は何というか非常にオープンです。遮蔽物が無いので夏の日差しはまともに受けますね(笑)。

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一の鳥居から参道をひたすら歩いて中に入ると、かの有名な立砂があります。円錐状に盛られた二対の立砂は左右対象で、神秘的ですらありますね。清めの盛り塩の起源とも言われています。
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境内はとても自然豊かで、古い和歌にも詠まれたこともある楢の小川が流れています。もともとこちらの祭神である賀茂別雷大神は、あらゆる災厄を祓う力を持ち、大自然を支配する神と言われています。緑や清流と調和した社殿を見ると、なんとなくそれもうなずけますね。

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ちなみに三間流造の本殿・権殿は国宝です。恐れ多かったのか、写真が下の一枚しかありませんでした。参拝してから夢中で目視した記憶はあるんですけどね。一般の参拝ではもちろん中に入れませんが、私は何年か前に特別拝観致しまして、ありがたいお話を聞くこともできました。

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下鴨神社もそうなんですけど、上賀茂神社にも素敵なお守りがたくさんあります。中でも私が好きなのは『あふひ香守』と言って、爽やかな香りを放つ、邪気を祓うお守りです。社紋にもなっている二葉葵が結ばれていますね。私は自宅の2部屋にそれぞれぶら下げています。他にもカッコいいもの、可愛いもの、いろいろありますよ。

f:id:aimar_21vcf:20200705213728j:imagef:id:aimar_21vcf:20200705213731j:imagef:id:aimar_21vcf:20200705213737j:imageそういえば前に下鴨神社についての記事で、二葉葵の深い意味はまたそのうちに…と書いたので今日そこに言及しようと思っていたのですが、疲れたのでまた後日にします(;ω;)

 

格式が高いこともあって、下鴨神社同様にいろいろ見所のある神社ですから、機会があれば上下の『賀茂神社』はセットで参拝してみて頂きたいです。

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七夕

『織女之 今夜相奈婆 如常 明日乎阻而 年者将長』
織女(たなばた)の 今夜逢ひなば 常のごと 明日を隔てて 年は長けむ

f:id:aimar_21vcf:20200704203758j:image織姫は今夜彦星に逢えても、またいつものように明日から二人は離れ離れとなり、長い時間(一年)再び逢える日を信じて待ちながら過ごしていくことになるのですね。

…という意味の詩です。なんか好き。

 

さて、7月7日は七夕。もともと『五節句』のひとつで、七夕(しちせき)の節句と呼ばれています。他には雛祭りの日である『上巳の節句』や、こどもの日の『端午の節句』などが有名ですよね。

短冊に願いを込めて竹や笹に飾り付ける、その光景はもはや夏の風物詩でもありますし、織姫と彦星の伝説もあいまって、ロマンティックさの中に切なさをも感じます。

f:id:aimar_21vcf:20200704210842j:imageそんな日本古来の伝統行事である七夕ですが、日本神話に深い関わりがあります。

 

まず織姫とは、高天原(たかまがはら)で機織りをする天照大神(アマテラス)のことです。一方、牛飼いの牽牛(彦星)とは、牛頭天王と同一視される須佐之男命(スサノオ)であります。

機織りの織姫=織女星(ベガ)=天照大神
牛飼いの彦星=牽牛星(アルタイル)=須佐之男
となりますね。

 

織姫と彦星がそれぞれ天照大神須佐之男命であるとするならば、二人を隔てる天の川とは神々の住む高天原を流れる天安河(あまのやすかわ)となります。

f:id:aimar_21vcf:20200704204227j:imageこれにより、七夕とは天安河を挟んで天照大神須佐之男命によって行われた『誓約(うけい)』に由来するものであり、男女の結婚にまつわる儀礼であることがわかります。

 

なおこの誓約で十握剣から三人の女神が、八尺瓊勾玉から五人の男神が生まれているのですが、これが三人官女と五人囃子のもとになっているという説があります。つまりは雛祭りも神話がもとになっており、お内裏様が須佐之男命でお雛様が天照大神ということになりますね。余談でした。

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話を戻して七夕ですが、人々は知らず知らず日本の最高神に願いごとをしていることになる…のでしょうか。

日本の伝統行事には大概、日本神話が見え隠れしていますね。そこにほんの少し気付くだけで、悠久の時の流れやこの国の持つ深み、神秘性を感じられるのです。

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さて、今年皆さんは何を願いますか?私は安らぎがほしいですね。